2023年 占星術による考察
by 淡の間

2022.11.28
2023年 占星術による考察<br>by 淡の間

今年も次年度の流れを考察する季節となりました。

このような機会をいただきとてもありがたく思っています。

 

少し遡ることになりますが、2019年から2020年を跨ぐ流れは現代を生きる私たちにとって、ある種のパラダイムシフト的体験の入り口のような年でした。

 

(※パラダイムシフト・・・規範的なものの見方が変わったり固定概念が変化することを示す)

 

それからの数年間は、文字通りの混沌とした出来事の渦の中でもがきながら、新しい日常への適応を余儀なくされた時期。

 

時空や距離をも超えるコミュニケーションを重ねるうちに時間軸が歪んでいくような、体感がおかしくなったような感覚を覚える人もおられたのではないかと思います。

 

また、2022年のテーマは『各々の課題に対する救済と混乱、準備運動』。

何が救いとなったかはさておき、この準備期間を経て得たもの、表面化したものは一体なんでしょう?

 

混乱したままの私たちを待ち構えている2023年のテーマは『こんにちは、新しい世界。そして閉じ込めた情熱の再燃』。

タロットカードで言えば『審判 JUDGEMENT』

 

復活、決心、出発の合図が聞こえてくる。

訪れる出来事や出会いはまさに新しい世界の扉へと繋がっている。

 

ただし、それは全く未知なる可能性を秘めた新しいものばかりではなく、

過去の自分が取り残してきた約束の復活、胸に秘めていた炎が揺らぎ出すような

これまで辿ってきた道が、新しい可能性への切符となり

ようやく過去の自分との対峙ができるようなこと。

 

ただの始まりではなく、まるで復活と再編のような運び。

 

これらの出来事に対して、以前の自分であれば足がすくんでしまったり、ある種の拒否感が芽生えてしまうようなこともあるかもしれませんが

 

なるべく新しい世界に対しての抵抗感をなくすために

あなた自身の始まりを祝うために

新しい世界の扉を意気揚々と開いていくために

自分の人生の主導権を取り戻す、然るべき場所に還る。

 

ここ数年をかけて準備運動をしていたことを、ようやく実感できるのが2023年と言えるかも知れません。

 

 

 

 

占星術上で年間の社会の流れを読んでいくために考察すべき重要な天体が幾つかありますが、中でも重要なのが木星 (テーマの拡大・発展をもたらす作用)と土星(テーマの成長を引き出す課題を与える)、そして天王星(枠組みを超えた革命的作用)と冥王星(終わりと始まりをもたらす)という宇宙の中でも重鎮のようなポジションに置かれる星々の動きです。

 

拡大と発展をもたらす木星は牡羊座(火)という12星座の始まりを示すスタートポジションへ、

 

それぞれの課題に対する通過儀礼的成長作用をもたらす土星は、全てが一周して一体化しようとする魚座(水)のポジションへ、

 

そして 終わりと始まりを示唆する冥王星は、権威的な社会構造を示す性質の山羊座(地)からより民主的かつ合理的な理想を志す性質の水瓶座(風)へと移動します。

 

エレメントの変化は起承転結の流れを示すものです。

 

性質同士が重なり合い、新しい性質の色合いへとグラデーションを作るように変容していく過程は、私たちを取り巻く社会情勢が次なる時代の「色合い」を作るために変化していく現在の様子と重ねて考えることもできます。

 

実は2019年ごろから2025年にかけては、滅多にお目見えしないような宇宙の重鎮たち(社会天体)の重なり合いが至る所で生じており、少しずつ数年単位で用意してきた伏線を回収しながら見せてくるような事象が地球上の私たちにとっての『パラダイムシフト的体験』に繋がっていると言っても過言ではありません。

 

同じ時代を生きる私たちは、人類史に残るような転換期の中で「終わりと始まり」を実体感する生き証人なのです。

 

当文章では前述の宇宙の運びが今後一体どのような影響として体感できるのかをお伝えできればと思います。

 

 

 

________

 

 

 

さて、そんな2023年の流れの中で大きな転換のポイントですが

前置きとしての2022年12月を含め、3月、5月、8月です。

 

この時期に起こる出来事をキーワードでまとめてみると、

 

□燃料を積んで向かう未来への誘い

□行き場のないエネルギーの発散

□パワーバランスの再編

□共鳴していく流れの加速

といったところでしょうか。

 

特に2022年12月から2023年4月までは物事が一気に動いていく勢いに満ちた時期。

 

中でも2022年5月〜7月の“2023年のシミュレーション期”に訪れた準備の出来事やサインのようなメッセージをキャッチできたあなたにとっては伏線回収と言えるような流れが用意されているはずです。

 

2023年の5月以降は、勢いのままに動いた前半の流れの風向きが変わるような、年間でも指折りの転換期。今まで梃子(てこ)でも動かなかった重い扉が音を立てて動くようなムードの変化を感じられるでしょう。

 

また、2022年という年は混沌と膿み出しの浄化作用によってこの世界に根を張る様々な問題を表在化させてきました。2023年はこれらの問題の解決に向けて然るべき場所に然るべき役割を配置するような再編の運びもあるものの、問題の大きさゆえに長期的に注視していく必要があります。簡単にいうと、すぐに解決することではないので数年単位で向き合わなくてはならないようなことですが、結果的に『災い転じて福となす』ようなことがあったのではないかと思います。

 

先ほどの文章の中で “新しい世界への抵抗“という文言を使用しましたが、私たちの中には“未知なるものに対する恐怖感や抵抗感”という見えない予防線、または防衛本能が眠っており、それらは時に発展や成長を妨げることがあります。

 

そのせいで、頭の中では変化を求めていたとしても、潜在的にGOサインを出せずにその場へ留まってしまいます。

 

そんな潜在的に弱い自分の心に火をつけて、扉の向こうへと飛び込む燃料へと変えるような出来事があるのも2023年の特徴です。

 

今までの自分が、

どんなことに対して諦めの気持ちを持っていたか

逃げていたか

わかったふりをして飲み込んでいたことがなかったか

 

肚(はら)の底に閉じ込めた思いを引き摺り出すが如く、心の洞窟に火を灯すような出来事が2023年の代表的事象となるはずです。

 

一方で、閉じ込めた思いや行き場のないエネルギーは自制心をなくし、支配的な暴力性を孕むことがあります。

 

特にここ数年のあいだで抑圧されていた人々の熱量は、ようやく発散を許され一気に動いていくことでしょう。

 

再出発や再編・新しさ、といった前向きなキーワードの裏側に潜む使い方を誤ったような暴力的な炎の作用、変化のなかで生まれる反発、争いや怒りなどを投影するような出来事も2023年に起こる出来事として危惧すべき点。

 

自分の中に潜む暴力性をコントロールすること、

理不尽な怒りに対して身を任せぬように自分自身をマネジメントすること。

加えて、他人に自分の機嫌と人生の主導権を握らせないようにすることなども、キーポイントと言えます。

 

先の話になりますが、2023年の前半に動いた物事は2026年以降の状況を示唆するものであり、数年かけてその色合いを深めていくことになるでしょう。

 

 ______

  

数年前から聞かれるようになった「風の時代」という解放感にあふれたキーワードの流行からは、新しい時代に希望と自由、そして前向きな変化を望む祈りを込めたムードが感じられました。

 

2023年以降の流れは、風の時代もとい、風のエレメントが本質的に示す時代の色をますます濃くしていくもの。

 

「風」は、仲介であり、媒介であり、情報であり、共鳴していく波動であり、周波数のこと。

秩序的なシステムであり、見えない共同体のことです。

 

□目に見えない波長や周波数に熱が加わり、より大きなうねりが生まれる

□形骸化された組織体や物事は崩れ、淘汰されていく

□不協和音のような違和感を無視できずに一旦何かをやめざるを得なくなり、改めて自らの周波数を整えていく

□合理的なシステムの中でも情緒的体験、心の通わせあいを決して見失わないこと

□どこにいても何をしていても、引き合う周波数を無視できないような運び、コミュニティや人間関係の発展

 

 

どこにいても、何をしていても、エンパシーを拾い合って繋がり合えるツールの発達はまさに風、人類の文明(テクノロジー)がもたらした希望そのもの。「つながる」「響き合う」作用など、2023年の水瓶座冥王星入り以降「本来の風の作用」がますます強化されていくことでしょう。

 

ここ数年の順応期間を経てようやく水瓶座冥王星期に突入していく中で、より合理的かつシステマチックに社会が整備されていく過程は、変化に適応しきれない層の反発などが起こることも予想されます。

 

テクノロジーや合理的なシステムが発展していく一方で、「新しさ」に対する拒否反応や取り残されたように感じる疎外感に対してエンパシー(共感)ができないこともあります。そして、互いがそれぞれの言い分に対し気持ちを寄り添わせることができなくなれば分断が生じるのです。

 

双方の折り合いをつけながら、双方の意見を丸ごと受け入れながら変化と発展を遂げる社会の実現には時間がかかるかも知れませんが、そのための重要な一歩を踏み出すのもまた2022年から連なる2023年のトピックかも知れません。(一旦大きな喧嘩なども起こりそうですが・・・)

 

 

ここ数年の多様化・多様性(ダイバーシティ)という用語や概念の普及、認識の周知は驚くほどの速さで、まさに風の作用のような広がりを見せていますが、それもまた私自身の狭い世界の中でのみ感じられることなのかも知れないと、ふと立ち止まり冷静に考えてみます。

 

この一節でさえ『世間の人々が多様性という言葉を知っている前提で話そうとする』という無意識的な分断を作っている可能性があるのです。

 

多様性ー

いろんな人のいろんな認識や様式があることを知ること、受け入れ合おう、受け入れてもらおうとすることは、思ったよりもなかなか難しいものです。

 

みんなが自分の言い分を全部受け入れてくれるように望むというよりは、みんながちょっとずつ我慢して分け合うことが望まれる世界の中で暴動が起こらないと言い切れるでしょうか?

 

また、少数派に対する理解が深まるのは喜ばしいことですが、一方で受け入れ難い保守的な層を無意識に分断してしまうような排他的な流れは避けたいところ。“分かっている“層だけが一方的に概念そのものを押し付けてしまうようなことも、です。既に形骸化されつつある「多様性」というワードのほか、ブームのように広がったキーワードについての認識そのものをポーズでは終わらせないよう、諸々改める必要があるのではないかと個人的には思います。

 

2020年12月の木星と土星の重なり、遡れば1960年代前半の社会運動から続く『風の性質の色合い』は、テクノロジーの発展とともにより合理的なシステム、数値化・または記号化された様式へと発展していきました。

 

例えるならば、飲食店によるタブレット注文やQRコード注文、記号化されたオーダーシートなど、よりシステマチックになればなるほど、ふれあいや関わり合い、コミュニケーションを含めた情緒的体験が減っていく傍で、その対応こそがより多様な人種層が社会に加わるための共通言語、認識、ツールとて発達しているのもまた事実ではないでしょうか。

AIやロボットの社会進出が既存のシステムとの兼ね合いをどのように分担していくのか、どれほど世の中が便利になろうとも、心を失わずに私たちは関わり合えるのでしょうか。

 

このような非情緒的かつシステマチックな流れが、既存の役割と情緒的体験を求める層との折り合いをつけつつ要所要所に振り分けられ、スライドしていくのもまた新時代の色。

 

水瓶座土星&冥王星入りの傾向が作る今後の20年は、2020年前後のパラダイムシフト移行の世界を作る非常に重要な期間であり、人類史に残る大きな一括りになるでしょう。

 

また、2020年からの3年間で水瓶座的性質を統治していた社会構造に対する課題を届ける天体である土星が、2023年から約3年間は魚座的性質へと対峙テーマを移行します。

 

魚座は水のエレメントに属し、環境や情緒・共感・一体化を望む性質です。

 

無機質な社会の中で情緒的瞬間を取り戻すようなことや、サイクルの一周による精算、または目に見えないもの(ウィルス含む)に対する課題の解消など。

 

遡ると1994年からの約3年間から続く土星の公転周期が一回りしたことを示しますが、この約28年間で私たちの生きる社会はどのように変化していったでしょうか。

 

これから私が述べることは一個人の意見であり、ある特定の団体にも所属せず、特定の団体の支援や思想を助長するものでは決してないことを前提とさせてください。

 

個人の尊厳や人権が守られるための社会のためには必要なパワーバランスによる均衡という背景があります。権力というよりも、それぞれの持つ力量のと役割分担のバランスによって保たれ、循環し、世界が作られているということ。あまり難しく考えずに動物界の食物連鎖のような循環のヒエラルキーをイメージしてみてください。

 

つまり平和で循環的な社会構造は、然るべき役割の配置と均衡の取れたパワーバランスの上に成り立っているのだと思います。

 

例えば、同じく魚座土星期である1995年1月にアメリカで実施された「オオカミの再導入」という事案においては、既に絶滅したと思われたオオカミを再び国立公園内に放ったことで生物多様性が増え自然生態系の復活が見られたことが報告されています。

 

当然ながらこの事案にはメリットだけではなくデメリットも存在しますが、『オオカミの再導入』が正しい生態系のヒエラルキーや均衡を取り戻すためのきっかけを示唆する出来事だとすると、2023年以降の魚座土星期も正しく均衡の取れた社会構造を復活・再編させるための然るべき適材適所的制裁がなされるかも知れません。

 

物質・金銭的側面を司る牡牛座の天王星も在室する現在、経済的制裁が起こる気配も見られ、そうでなければ現状打破ができないような混乱した現在の社会情勢を統治するために、一旦リセットのようなことも起こる気配があります。

 

ただし、冒頭で引き合いに出したタロットカード『審判 JUDGEMENT』の意味合いからも取れるように、全く新しい可能性が生まれるというよりは復活・再出発の気配が濃厚です。また、このタロットカードは逆位置なので、状況はまだ確定ではなく、再編の気配やそのための必要な力をまだまだ貯めている最中。

 

始まるために一旦終わりにする、終わりの始まりのための準備が進んでいるのかも知れません。

 

何度もお伝えしますが、私自身は特定の団体への所属もしておらず、発言もそれらにまつわる支援や思想を助長するものでは決してないことを前提としてお話ししました。

 

さて、冒頭の回収に戻ります。

 

『こんにちは、新しい世界。そして閉じ込めた情熱の再燃』。

 

昔、夢見ていた世界って、どんなものでしたか?

 

あなたの人生はあなたのものです。

あなた自身を拓いていくのもまた、自分の責任です。

 

然るべき場所に戻って再び出発してみましょう。

あなたの「夢」はなんですか?

 

心の奥に仕舞った燻っている火を再び燃やして、追い風に乗って勢いをつけましょう。

あなたの心が燃えるような、内から情熱が湧いてくるような「何か」を、もう一度探しにいきましょう。

 

なんのことか分からないと焦らなくてもいい、その時が来たら必ず分かります。

それまでに心の中を存分に温めておいてください。

 

もしもこの文章を読んで心がたぎるように熱くなった人、

あなたの胸の内側にいる存在は、この時をずっと待っていたのかもしれません。

  

_________

  

2023年がこの文章を読んでくださった読者様にとって、情熱が再燃するような前向きな運びと発展があることを心からお祈りしています。

 

 淡の間

 

aynoma diary 2023 はこちら

 

THINGS THAT MATTER 商品一覧